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ひまつぶし

気になることを統一感なく

加速する過激

「わたくしが大統領になった暁には、麻薬を撲滅すべく麻薬に手を染めた犯罪者は皆殺しにします。一般の方には報奨金を出したいと思います。生け捕りでもいいですが、密売人などを見つけた場合は、みなさんが殺してもかまいません。むしろ歓迎いたします。わたくしはこの方針で3か月から半年で麻薬犯罪を撲滅してみせましょう」

 

「ジャーナリストの暗殺などがありますが、やつらはそれなりのことをしたから殺されたまでであって死んで当然なのであります。当然の報いです」

 

「死刑制度についてですが、もちろん復活いたします。銃殺は弾がもったいないので絞首刑にしたいと思います。施設を増設しないといけないくらい混み合うかもしれません」

 

こう言って当選した大統領が生まれた。

 

麻薬密売人容疑者殺害の報奨金は1100万円に決まった。国民は報奨金の額に驚き、そして密売人狩りが始まった。報奨金は破格だ。これだけあれば贅沢をしても10年は何もしなくても生活できる。仕事を辞めてまで狩りをする者さえ現れた。

 

逃げ切れなかった売人たちは次々と捕まり殺された。数年がたち、密売人狩りは組織化してきた。より情報を多く収集できるものが勝ち残れるようになり、一般人が報奨金を手にすることは難しくなってしまった。

 

仕事を辞めてまで売人狩りをしてきた者たちの中には一人も捕まえる事ができず、路頭に迷う者も出てきた。そんな中、新たな犯罪が産まれた。報奨金目当てに、なんの罪もない人を売人にでっちあげて殺害するのである。死人に口なし。この方法はしばらく誰にも気づかれることなく実行された。

 

何かがおかしいと気付いたのはジャーナリスト。しかし、裏をとるための取材を開始すると、そのジャーナリストはことごとく消されることとなった。しかもジャーナリストの殺害は罪にはならない暗黙のルールがこの国にはあった。

 

きちんとした報道がされないまま、密売人がいなくなった世の中で、密売人を製造して殺害するビジネスが横行する国が出来上がった。

 

そのうちこの国の内需は下降の一途をたどった。外貨を稼ごうにも、まともな働き手が激減していた。しかしこのままでは国が滅んでしまう。そこでこの国は中国との関係を強めた。中国の領土拡大に協力する体制をとった。中国船の航路を確保し、周りの国をけん制した。

 

いつ戦争が起きてもおかしくない状態になってしまった。

 

こうして日本の周辺にはまたやっかいな国が誕生したのである。

 

したっけねー