THE 100 を観て戦争を考える。
okuですよ。THE 100 セカンドシーズンまで全部観てしまいました。
naitoujinexpress.hatenablog.com
すごく考えさせられるドラマです。登場する人種は3種類。地球が核で汚染されてから宇宙船アークで生き残った人種。地球では核に汚染された大地でも生き残って行ける人種『グラウンダー』。大地では生きられず要塞を築いてそこに住む人種『マウンテンマン』。それぞれが生き残りをかけて自分たちを守ろうとする。核に強いのは宇宙で過ごしたアークの人たち。ついで大地で生きれる人種。そして要塞に住む人たち。アークの人間が地球に降り立つまでは、ギリギリながら均衡が保たれていた。核に抗体を持たないマウンテンマンは技術を使ってグラウンダーを採取し、その血を自分たちの治療に使っていた。グランウダーはそんなマウンテンマンから身を守るため戦闘能力を高めていった。
アークが均衡を破る
宇宙船アークは酸素がもたなくなり地球に降り立つことで生命を保とうとした。しかしそこはグラウンダーの土地。よそ者が踏み入れてはいけない場所だった。お互いに敵対する両者。そこにマウンテンマンが現れアークの人間たちは囚われる。
もともとグラウンダーの採取をしていたマウンテンマン。アークの人間もとらえて、ここでマウンテンマンはアークの人間とグラウンダーの共通の敵となる。
それぞれが思う平和
アークの人たちは、酸素を求めて地球に来た。地球に住めたらそれでよかった。グラウンダーもマウンテンマンの採取がなければ、自分たちはそこで生きていけるのでそれでよかった。マウンテンマンも要塞で平和に過ごしたいだけだった。
しかしマウンテンマンたちが平和に過ごすには、グランウダーの核に強い血を治療に使うしか生き延びる術がなかった。なのでグラウンダーをとらえた。とらえられる側のグラウンダーは、ひとりまたひとりと連れて行かれる仲間のために戦闘をするしかなかった。相容れない両者。それぞれは平和に過ごしたいだけなのに。
仕方がなかった
このドラマには『仕方がなかった』という言葉が多く出てくる。何かを決断するリーダーがこの言葉を使う。自分の仲間を守るために違う人種を殺すことを『仕方がなかった』と言う。
アークの人間は自分たちを守るために、襲ってきたグラウンダー300人を焼き払った。戦闘能力が高いグラウンダーに追い詰められ『仕方がなかった』のだ。
アークのリーダーを探すためにグラウンダーの子どもや年寄りの村人を18人殺害しても『仕方がなかった』のだ。
その18人殺害の人間をグラウンダーに差し出さないと、マウンテンマンに立ち向かうための同盟は結べないとして『仕方なく』グラウンダーにそいつを差し出すのだ。
差し出した人間は18人分の苦しみを与えられて徐々に殺されることを知って、アークのリーダーは自らそいつを殺すのだ『仕方なく』
同盟を知ったマウンテンマンは、グラウンダーとアークのリーダーが集まる場所にミサイルを打ち込むのだ。それを要塞に進入している者が教えてくれたが、アークのリーダーとグラウンダーのリーダーは自分たちだけ逃げるのだ。マウンテンマンの要塞に進入して作戦を遂行しているものを守らないと全滅してしまうのでみんなにそのことを伝えて逃げることは、相手に警戒されるため『仕方がなかった』のだ。
アークの人間の骨髄でマウンテンマンは地上で暮らせるだけの身体になれることを知ったマウンテンマンはアークの人間をとらえ骨髄を採取するが、潜入に成功したアークのリーダーは要塞に外気を送り込みマウンテンマンを全滅させるのだ『仕方がなく』
戦争だから仕方がない
もし自分ならどうだろうと考える。自分の命が危ないと思ったとき相手を殺すだろうか。分かり合えない者との争いを望むだろうか、それとも和平を模索するだろうか。誰も争いなんてしたくないと思っているはず。しかし争いは起きる。それは考え方が違うから。見た目が違うから。言葉が違うから。自分たちと違うから。でもみんな争いを望んでいない。ただ平和に暮らしたいだけ。でもおれも言うかもしれない。自分を守るための戦いで相手を傷つけたら『仕方がなかったんだ』と言うかもしれない。
小さいことだけど、家に鍵をかけるのは守るためだ。同時に無駄な争いを避けるためだ。鍵をかけない場合ドロボーが入るかもしれない。しかし鍵をかけることでそれは未然に防ぐことが出来る可能性が上がる。誰も傷つかないための防衛だ。武器を持たなくても鍵だけでも抑止をしている。当然それでも入ってくるものが多ければ武器を所持することになるだろう。守るためには『仕方がない』のかもしれない。
より大きな威力をもつ武器があれば安心が生まれる。安心は重要だ。安心できる場所がないと人は狂ってしまう。相手がどんな風に攻めてきても対処できる武器があればいいのだ。しかしその武器を知られたら相手はもっと強力な武器を所持することになるかもしれない。
おれは武器を持ちたくない。
自分たちを守るための『鍵』も本当は持ちたくない。
『鍵』がいらない世界がいい。
チャオ!